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第92話【R18】

「冷た…」 少し火照った涼真の身体をバスルームの壁に押し付けてぎゅっと抱いた。 「…そんな可愛い事してくれるの?」 そう言って涼真は俺を抱き返す。 「滅多に出来ないし、いいだろ」 揶揄われても離さない。 「はいはい」 まるで子供にするようにポンポンと頭を撫でるからすりすりと涼真の額に頬ずりした。 「…ここからは大人の時間…キス…してい?」 「…ん…」 唇を押し付けると涼真のそれは薄く開いていて、涼真が俺を欲してくれているのだと感じた。 柔く食むと涼真が俺の顔を両手で捕え…舌を差し込んだ。 …待てなかった…? …嬉しい…。 バスルームにはぴちゃぴちゃと水音が響く。 舐めて、吸って…歯茎や上顎を心ゆくまで舐めて、舐められて…唇がちょっと痺れてきたけれどまだ足りない。 「ね…郁弥…もう感覚…ない…」 キスの途中で俯いて口を離し、俺を見上げる涼真は濡れた唇が真っ赤になって、まるで口紅を塗ったみたい。 顔も身体も上気して、見ているだけで身震いする。 「りょ…」 「待って…」 涼真が手のひらで俺の口を隠した。 「立ってらんない…。ベッド…行こ…?」 「…うん…」 上擦った声で返事をしてバスタオルを涼真の肩に掛けてやり、俺たちはバスルームを後にした。

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