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第103話

「ん…」 暖かな人肌に擦り寄れば涼真と身体をくっつけたままで、俺はイッた後少しの間夢を見ていたようだ。 「涼真…重かっただろ、すまん…」 そう呟いて身体をどかし、すぐ脇に身を置いた。 涼真の無防備な寝顔。 子供の頃と何ら変わらない。 変わったのは…何でも知っていたはずなのに、知らない事が増えた事。 何でも話していたのに、肝心な事は聞けないでいる事。 あー…大人って面倒臭い。 いや、大人って訳じゃないな。 まだ子供だった頃からだから…涼真に関しては長期に渡って拗らせてる自覚は、ある。 お前の事は何でも知りたい。 聞いたら…答えてくれる? ねぇ、涼真…。 「…あれ…?」 「おはよ、涼真」 もう日はすっかりと登り、朝というには遅い時間。 俺の顔を見てもまだ目が開ききらない涼真。 …可愛い。 ぼんやりしていたから涼真の脚の間に片足を滑り込ませてみた。 みるみる赤くなる顔色。 「郁弥…おは…よ…」 挨拶の途中で目を逸らすのは おはチュンだから? 「どっか痛いとか…ある?」 「な…ない…」 掛け布団にしがみつく姿もいいんだけど… 「顔、見せてよ…」 「恥ずかしい…」 「今更だろ?」 そう言えば責めるような目で俺を見る。 だが布団を掴む手を緩めた隙にサッと捲ってキスをした。 「あッ…ん…」 くちゅくちゅと音をさせて起き抜けの涼真にとびきりディープなヤツをした。

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