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第104話

「もう少しゴロゴロしたらさ、朝飯…いや、もう昼飯だな…食ってまたイチャイチャしよう」 握っていた布団から指を離させ、代わりに俺の指を掴ませた。 我ながら子供じみてるけど、今ならいいんだ! 「…ん。郁弥…何かこーゆーの慣れてんね」 「え?」 「女の子とも付き合ってたし…今までにもしてたんだよね…」 一瞬、目が点になる…。 涼真にしかした事ねぇし、と心の中で反論した。 …ていうか、コレって…いわゆる… 「…ヤキモチとか?」 「…悪いかよ…」 せっかく俺の指を握らせたのに、掛け布団を掴んですっぽりと布団の中に隠れてしまった。 「…無いよ、誰にでもして無いから出てきて」 布団の上からポンポンすると目だけ出してジト目で俺を見る。 「涼真だって…誰かとイチャイチャした事くらいあるだろ?」 「……」 軽い気持ちで言ったのに、涼真は黙ってしまった。 まあね、とか言って切り返してくれればよかったのに。 さっきまでの甘〜い空気が、どんよりと重い。 いやいや、涼真は一度結婚している。 故に俺より人生経験豊富なのは間違いない。 「…だって咲百合は?」 「…ない…無いんだ」 頭の中に?マーク。 そう言えば”こーゆー事も “ ” 誰かと付き合った事ない” って言ってたのは…相手が男の俺だからじゃなくて…もしかして… 「涼真、それって…どういう事?」 被っていた布団をゆっくりとどかし、涼真は何とも悲しそうな顔を俺に向けていた。 「本当は最初に言うべきだった…」 ゆっくり体を起こし立ち上がると涼真は辺りに散らばっていた衣服を身に付けてベッドの端に座った。 「何から言えばいいんだろ…俺と咲百合の事…。郁弥に聞いて欲しい」

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