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第120話
「学校は…楽しい?」
「…うん、まあ」
「進学校なんだし勉強は大変なんだろ?」
「…でも、皆おんなじだから」
ひたすらに穏やかに、模範的な回答をする。
うーん、いい子ちゃん。
「好きな人は?いるの?」
「……まあ」
「そっか…そうだよな〜。オマエカッコイイし頭もいいしな〜」
まだまだ子供だが身長も伸びてきて童顔のイケメンである事は間違いない。
「…でもな、アルバイトはイカンだろ?」
「やっぱりダメ?」
「中学生だからな…」
ふう、とため息を落とす夏羽。
だが伏せ目がちな憂い顔、子供とは思えない。
「理由は…言いたくないだろうから聞かないけど…ああゆうのは高校生になってから、な」
「うん、もうしない。今日は急にあんな事になっただけだし」
俺の目を見て、もうしない、と言った夏羽の言葉は俺を安心させた。
自分の子供ではないけれど、可愛い甥っ子の身を案じるのは当然。
一旦会話が途切れ、チラチラと俺の顔を見る夏羽。
これは…きっと他にもまだ胸に抱えていて誰かに聞いて貰いたい事があるんじゃね?
「優羽に言いづらい事でも…俺でいいならいつでも聞くよ」
「……うん。…あの…」
一瞬涼真がいる台所の方を夏羽は見た気がした。
「何だ?」
「とと…じゃない、郁弥叔父さんは…その…お…とこの人が…好き…なの…?」
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