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第124話

優羽に電話すると、明日は登校日では無いからと言われて夏羽を家に泊める事にした。 近所だから送って行っても問題無かったのだが…あの子の激しい一面を見て何か力になりたいと思ってしまった。 「俺が郁弥の部屋で寝るからさ、郁弥は夏羽くんと一緒にいた方がいいんじゃない?」 「ありがとう。そうする」 涼真の部屋はちょっと前まで涼真が真咲と眠っていた部屋。 並べて敷かれた布団を見て懐かしさが蘇る。 昔は『いくー、だっこー』そう言って手を伸ばしてきた夏羽。 小さな子供だったから今とは比べ物にならない程軽かったが、今だって楽に持ち運べる。 「細っせーな」 布団を肩まで掛け直して甥の寝顔をまじまじと見た。 夏羽の目元はまだ赤く、こんな顔のまま…返せなかった。 「さて、オレも寝るとするか。夏羽、いい夢を」 夏羽の頬を一撫でして、布団にゴロンと横になった。 「ん…ふぁ〜〜…あ?起きてた?」 「とと、おはよ…」 目が合った夏羽は掛け布団の縁を掴んで目だけ覗かせていた。 「昔は いく、って読んでたろ?いつからととになったんだ?」 「真咲が混乱するからととに揃えたんだよ」 「そっか、そうだったか」 「今更言う?」 俺が起き上がれば笑って布団から出てきた。 夏羽はもう大丈夫そうだ。 「はは、さて、朝飯作るからな」 「ととのご飯、美味しくて好き」 「そうか?まかせろ!」 いつもの夏羽に戻ったように見えた。

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