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第129話

「という訳で明日から休みなんだ」 「今日は水曜日だから…四連休?うわ、羨ましい…」 帰宅早々に突如降って湧いた有給の話を涼真に報告した。 「…ととお休みなの?」 リビングのソファーでテレビを見ていた真咲が俺と涼真の話を聞き返した。 「おうよ!」 「ふ〜ん…」 「真咲は明日から学校だもんな」 「明日は始業式だから…早く終わるよ」 「そうか。昼飯は二人で食おうな」 「…うん」 何気ない会話。 明日は真咲と昼食を取る。 それだけ、のはずだった。 「さて、掃除はもういいか。昼飯の準備…あ、その前に廊下の照明が切れそうだった」 そうなんだ、最近ちょっと暗いんだ。 他はLEDに替えたのに、ここだけまだだった。 予備の電球を納戸から取り出して…うん、あった。 「脚立を立てて…よっと、楽勝!」 交換に使った脚立を畳んだタイミングでちょうど洗濯機が鳴った。 「あ、第二弾が終わった」 持っていた物をその辺に置いて洗濯機のもとへ。 「早く干さないと…。午後から少し雲が出るみたいだし…」 若干気が急いていた。 暑かったし、真咲が帰ってくるし。 昼飯の事なんかも考えていてあっちこっち思いつく所から片付けていたんだ。 「そういや…何時に帰ってくるんだ?」 そう思った時、玄関から真咲の声がした。 「とと、ただいま」 「お帰り」 「えッ…あ!、痛…ッ!」 「どうした?真咲!」 真咲の声とガタンという音。 俺は洗濯物を投げて玄関に走った。

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