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第130話
「真咲!大丈夫か?」
「へへ…転んじゃった」
玄関を上がってすぐの床に座り込んだ状態の真咲。
真咲の手は俺が置きっぱなしにしていた脚立を掴んでいる。
「もしかして、脚立で?ゴメン!」
電球を交換してすぐに洗濯物を取りに行ったからだ。
邪魔にならないように脱衣所に脚立を置いたはずなのに脚が廊下に出たままだったのか…ちゃんと片づければよかった…。
「大丈夫…。痛ッ…」
「足…捻った?」
「これぐらい…大した事…うわ!」
「向こうで見せてみろ」
真咲を抱えてリビングに連れて行き、ソファーに座らせた。
痛めた脚をソファーにのせて足首を触ってみると熱を持ちやや膨らんだ感触。
「いッ…たくないから…」
「このままだともっと腫れるな…ちょっと冷やさないと…」
急いで新品のスポンジと包帯、それから氷を持って真咲の元へ。
「こうやってスポンジで軽く圧迫して包帯を巻くと腫れが酷くならないんだ」
スポンジを半分に切って患部にあてて包帯を薄めに巻いた。
その上からビニール袋に入れた氷を乗せて手当は終わり。
「とと、ありがと」
「俺が悪かった。痛い思いさせたな」
「足よりお姫様抱っこされた方が痛いよ」
「ん?そうか?まだ軽いからな。涼真位までなら抱っこできる…」
俺はそこまで言ってしまった、と思った。
真咲の手当が終わって気が緩んでいた。
「ねえ、とと。聞きたい事があるんだ」
真咲は真剣な眼差しで俺を見ていた。
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