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第148話
「は〜っ…もう!」
涼真の胸に頬を押し付けてその腕の中にやや怠くなった身体を預けた。
「涼真エロいし、気持ち良すぎだし…俺全然もたないし…」
「…ふッ…」
胸が軽く跳ね、涼真が微笑んでいる。
「俺をこんなにしたの、お前だろ郁弥」
「俺?潜在的才能じゃないの?」
「開花させただろ?」
「あーーー…」
成程、そうも言えるのか。
俺か。
俺が涼真をエロく育てたのか!
「…才能が怖い…」
「郁弥の?」
「両方!」
「ふふ」
「ははは」
それからお互いの身体を抱き締めて暫し笑いあった。
「いつまでもイチャイチャしたいけど、そろそろシャワー浴びとくか」
「うん」
まだ昼までには時間があるけど、やっておきたい家事もあるしな。
俺は素っ裸のままでぐちゃぐちゃになったシーツを剥がし洗濯機に突っ込んだ。
「もっかい動かすかな。天気いいみたいだし」
洗剤と柔軟剤をセットしてスタートボタンを押しながら記憶を辿る。
「…今日の天気は…?あれ?天気予報見てないな…。ま、いっか」
裸足でペタペタと歩きながら服を取りに部屋に戻った。
「ほら、郁弥の服」
「おっと…!」
部屋に入るなり顔面に衣類が飛んできた。
「投げなくてもいいだろ」
「…つい、な」
照れたように笑う涼真。
もういつもの顔に戻ってる。
「サンキュ」
「…俺こそ…ありがと」
俺の脇を通り過ぎながら小さな声で涼真が言った。
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