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第150話
昼食を終えて涼真が台所を片付けている間に朝一番に干した洗濯物を手早く畳む。
さらりとした軽い肌触り。
「よく乾いてる。でもシーツは…まだだな」
最後に干したシーツだけはやや湿っているようで少し向きを変えてそのままベランダに掛け直した。
「あと二時間もあれば大丈夫だろ」
乾いた衣類をカゴに移し室内に戻るとちょうど涼真がエプロンを外す所だった。
「郁弥、終わった?」
「今、ね」
「スーパーの前に本屋に行きたいんだけど、いい?」
「ああ、いいよ」
「じゃあ着替えてくる。あ、コレ部屋に戻さないと…」
慌ただしく動く涼真を目で追い、俺は自室で着替え涼真と家を出た。
「日差しが強いね。でも風が吹いてるから幾分か楽だけど」
「そうだな…」
気温の割に時々冷たい風が肌を掠める。
「夕立が来るかもしれない…」
「え?あれ、そう言えば雲がでてる…。朝は無かったよな」
ポツポツと空に見えていたはずなのに、その数は倍程に増えていた。
「今すぐ降るって感じじゃないから大丈夫だろ」
「そっか」
それでも何となく足を早めて駅前の書店に向かった。
入ってすぐに涼真と別れ、俺はパソコン関連の棚の前で数冊手に取ってパラパラと捲った。
学校で習っているみたいだが真咲も本格的にパソコンに慣れ始めた方がいいだろう。
初心者向けの本を一冊買い求めてからエレベーターに乗り涼真との待ち合わせ、一階入口へと向かった。
一歩足を踏み入れれば開放型のエレベーターの窓の外には一面の雲。
「雨雲か…?」
青空に浮かんでいた白い雲はいつの間にかその形を膨らませ積乱雲になっていた。
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