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第151話
「やっぱ降ってきたな」
「一瞬でヤバいくらい濡れたな」
軽く息が上がったまま玄関になだれ込んだ。
本屋を出てから向かったスーパーであれこれ買い込んでいるうちに黒い雲が広がって、家に着くほんの手前で雨が勢いよく降り出した。
いわゆる土砂降り。
傘なんて持ってないから二人とも着替えが必要な位は濡れてしまった。
涼真の髪の先から滴が垂れた。
「俺が生もの冷蔵庫に入れとくから涼真は先に着替えてこいよ」
「悪いな、すぐ戻る」
そう言った涼真を見送り俺はマイバッグから肉や魚、加工食品を次々と冷蔵庫に突っ込んだ。
「真咲…傘持ってったのかな…」
「傘…?どうだろ…。夕立ならすぐに止むんじゃないか?」
着替え終えた涼真が俺の頭に乾いたタオルを掛けてくれた。
「サンキュ。…それもそうか」
ゴシゴシと濡れた頭を拭き、窓の外に目をやった。
「あ!シーツ!」
「うわー絶望的だな」
「明日洗い直すよ」
ベランダに干したままのシーツは風雨に晒されてびっしょりと濡れている。
今取り込んでさらに濡れるより雨が止んでから取り込もう、そう思って俺も自室で服を替えた。
「雨…止まないね」
「そうだな」
あれから二時間は過ぎたか。
やや弱くなったものの、雨はまだ降っていた。
「真咲はいつも何時に帰って来るんだ?」
「何時だろ…四時か五時?」
もう帰ってきてもおかしくないが雨が止むのを待っているのかもしれない。
「濡れてなきゃいいけど…」
窓の外を見ながら涼真が言った。
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