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第155話
「…それって…」
「真咲は何が知りたい?」
真咲の言葉に焦る俺と冷静に真意を知ろうとする涼真。
驚いている俺の言葉を遮って、涼真が真咲に問うた。
「僕は…真実が知りたい…」
「それは何に関しての?」
「…それは…」
唇をキュッと結び、俯いてしまった真咲。
俺はこの場にいてもいいのか、いない方がいいんじゃないかと気が気ではない。
「お…俺ちょっと姉ちゃんのトコ行ってくるからさ、飯食べててよ」
携帯だけ手に取ってガタガタと音を立ててイスから立ち上がった。
「待って!」
「…え?」
呼び止められた。
…真咲に。
「…ととにも、聞きたいんだ」
絞り出すような真咲の声。
そんな辛そうな顔、今まで見た事ない。
「俺…?俺に?」
涼真は箸を置き、真咲と俺を順に見た。
「俺が答えるから。知りたい事は俺に聞きなさい」
そう言った涼真の瞳には苦悩の色が見て取れた。
「…あのね、まず言っておきたいのはね、僕は二人にはとても感謝しているって事…」
…感謝…。
…それは子供が親に向かって言うには早すぎる言葉。
「僕の両親はもういないのに、血縁でもない僕を育ててくれてありがとう」
そんな言葉聞きたくない!そんな他人行儀な言葉…!
「僕が聞きたいのはね、父さんと ととについてなんだ」
「…それは…」
「二人とも僕の存在をとても気にしてるでしょ?それがね、ちょっと…」
それから真咲は少し考えてから言った。
「父さんと ととは、付き合ってるの?」
「真咲…」
「それとも、愛し合ってるの?」
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