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第159話
「俺は真咲の父親だからどんな言葉でも…非難でも受け入れる」
「……」
じっと真咲を見つめながら話す涼真はさっきより冷静で、いつもの彼に戻っているようだ。
「…でも、郁哉は違う。そんなに冷たい言葉で切り捨てるような事を言わないでくれ…」
「…そんなつもり…なかった。ただ、僕の為に色々な事をずっと我慢させてるみたいで…申し訳ないって思っただけ…」
真咲の肩に置いていた手に思わず力が入った。
「子供なんだから…まだそんなの考えなくていいんだ」
そうだろ?
俺は頼まれたんじゃない。
俺が涼真に頼んで一緒に暮らしてもらってんだ。
「甘えてくれよ。育ててるなんて大きな事は言えないけど…年の離れた兄貴だと思って頼ってくれよ」
本心は涼真と一緒に親代わりをしてるつもりだ。
でも、それが真咲の心の負担になるなら…俺は兄貴だって親戚のおじさんにだってなれる。
「僕がいたら気を使う事だって多いし、手もかかるしお金だって…それでも…いいの?」
「子供が…そんな事考えなくていい!」
涼真が真咲の頭に手のひらを置き、そのまま頬まで撫でた。
「大人になるまで…俺に育てられてくれよ、真咲」
「二人の邪魔をして要らなくなったりしない?」
「なる訳ないだろ!どれだけ涼真がお前を大切にしてきたと思ってんだ!」
「本当にいいの…?僕…ぁ…」
話している途中で急に真咲がバランスを崩してその身体が倒れていった。
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