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第162話
真咲の熱は下がったが優羽の言葉を尊重して今日は学校を休ませた。
本人は行くと主張していたが涼真と二人がかりでアレコレ言い引き止めた。
大人公認で学校学休めるなんて最高じゃん?
学校が嫌いという訳では無いんだろうが、普段とは違うスペシャルな感じにワクワクしないの?
朝食に用意した甘い卵焼きに箸を伸ばして真咲が言う。
「授業のノート借りるのも相手の迷惑になるでしょ?」
「え?そこ?」
涼真と二人、目がテンになった…。
毎日その教科がある事も無いだろうし、何より友達なら迷惑とか関係なく貸してくれんじゃないの?
そんな疑問はいつかの涼真の言葉を思い出させた。
“ 迷惑掛けたくない ”
あぁ、お前ら本当に親子だ。
だって同じ事言ってる。
…でもね、きっと“ 頼って欲しい ”と思ってる人が周りにいるはずなんだ。
俺の目には最後の卵焼きを美味そうに頬張る涼真の姿が映った。
血の繋がった親子でない事が分かってからも穏やかに時は過ぎ、今日は高校の入学式。
よ・う・や・く、俺も出席出来た。
公立だったらこうはいかなかったな。
なんせ今日は土曜日だから。
カレンダーの並びも良かったんだろう。
有給申請するまでもなく、晴れて念願だった真咲の入学式に俺も参列する事になった。
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