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第210話
白く滑らかな肌に黒が滴る。
余程生地が薄いのだろう。
身体の輪郭がハッキリと見て取れた。
やっと尻が隠れる位の丈の長さでレースがひらひらと揺れている。
涼真はボクサーに手を掛けこちらに背中を向けたまま体を深く曲げてからそれを脱ぎ捨て、代わりに小さな紙袋の中から小さな黒い布を取り出し足を通す。
尻の谷間に黒い紐。
これは…Tバック…。
たいして肉の無い尻に…それでもくい込んでいて、いつの間にか穴が空くほど見つめてしまっている俺。
脈がどんどん早く、力強くなって、興奮していくのを実感した。
「ね…こっち向いて、涼真…」
早く見たい、…正面から。
きっと俺が見た幻が、そこに…立ってる。
涼真は背中越しに俺を見遣り、それからゆっくりと振り向いた。
短い裾を両手で下に伸ばすように恥じらって。
「涼真…りょうま…」
無意識に涼真を呼んだ。
「郁弥…俺の事…」
「分かる、分かるよ。間違いない」
体を起こしベッドに近寄ってきた涼真をキツく抱き締める。
「そうだ…この感触…」
薄い布地を纏う薄い体…。
「…俺の…」
胸に顔を押し付けて、匂いを嗅ぐ。
ああ、涼真の匂い。
「…嬉しい…。また、抱き締めていいんだ…」
「うん、俺も嬉しい」
腕を引き寄せて俺を見下ろす涼真の唇に…触れた。
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