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第239話
夕飯は冷蔵庫にあった残り物で作ったチャーハンとこれまた残り物のスープで軽く済ませ、いつもより少し早い時間にベッドに入った。
真咲は夕飯時にもまだ興奮冷めやらぬ様子で測定系と数値の関係性や病態について一人で語っていた。
俺と涼真は相づち程度に話に付き合ったが、如何せん…俺達バリバリ文系なんだ!
真咲の話す内容が、全くもって理解し難いものだった…。
ともあれ真咲がこんなに熱心に何かについて語る機会を作ってくれた志摩には感謝しかない。
「一応メールしとくか」
腹這いになってスマホのスイッチを入れ画面を呼び出す。
プライベートでも付き合いがある事代堂。
とは言えお互い忙しく働き、しかも家族に未成年者がいる身。
「なかなか遊びには行けないけど…飯にでも誘うかな」
そう思い儀礼的かもしれないが 食事に誘ってみよう。
それから、先輩元気にしてるかな…。
先輩は会社員だが研究者としても論文を発表し、今だに第一線で活躍している。
本当は真咲にも紹介したい。
でも人見知り激しいし、引きこもり体質だから…先輩と会うのは難しいだろう。
「とりあえず志摩にメールっと」
常夜灯の下、やけに明るく光るスマホをタップして久々に会った友人に感謝のメールをしたためた。
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