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第244話

「涼真…俺の部屋…行かない?」 ふるっと揺れ、涼真の身体が僅かに反応した。 「…郁哉…」 シャツの裾を涼真が引っ張ったのはイエスという答えだろうか。 ソファから立ち上がり、俺を見上げる涼真の手を引いて、リビングを後にした。 部屋に入るや、俺は正面から涼真をギューっと強く抱きしめた。 「苦しいって…郁哉…」 「やだ…」 「ヤダじゃないよ、いい大人が」 左手は涼真の後頭部、右手は細い腰に手を巻き付けて首筋に鼻を埋めた。 ふんかふんかと匂いを嗅ぐ。 「涼真の匂い…」 「え、臭い?」 「…んーん、好き…」 言った途端に抱きしめた身体から急に湿度と熱が放出された。 深呼吸して存分に体内に取り入れると汗ばんだ匂いが鼻腔を擽り、つられて俺まで身体が熱くなっていく。 「…郁哉?」 涼真の匂いに欲情するって、俺もう変態のレベルじゃん。 胸が苦しい。 「ねぇ、俺を…嫌いにならないで…」 肩口にグリグリと額を押し付けて、まるで子供のように涼真に甘えてみる。 「…ならない、よ」 「…ホントに?」 「ホント」 涼真が俺の身体を優しく抱き返した。 涼真に抱えられる心地良さでうっとりしそうになる。 「ね、触っていい?」 「…聞くなよ」 「じゃあ、ここ、座って?」 俺はベッドに腰を掛け、自分の膝を指さした。

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