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第251話
「郁弥…綺麗にしてくれてありがと」
「うん」
はにかみながら涼真が礼を言う。
「でも寝てる人の体でアレするのはどうかな…」
「あれ…?」
「そ、オナ…」
「わ、わ、わ!ちょっと!」
慌てていると、寝転んだ状態で涼真は俺に抱きついてきた。
石鹸の匂いをふんわりと纏って。
「だ…だって…涼真がエロいから!」
そう、寝てたって、寝てるふりしたって、喘いで俺を誘うんだ。
ソロプレイで我慢したんだ、むしろ褒めてくれ。
「意識の向こうで郁弥の熱いアレが肌を擦って…俺まで気持ちよくなっちゃったよ」
「…ホント、すまん…」
寝てると言ってもぼんやりとしていて、ゆっくりでも言うことはやってくれたレベルの状態。
石鹸で体を洗えば肌を撫でる度にアンアン言って俺を惑わせ、こっちはたまったもんじゃ無かった。
だから涼真を抱えて丸洗いしてる途中で限界を迎えた俺は仕方なく抜いたのだ。
俺は悪くない…多分…。
よいしょ、と向きを変えた涼真の尻の溝をたまたま俺のアレが滑り、その気持ち良さでつい故意に何往復かした。
…うん、涼真にしたのは…それだけ。
でもそれだけじゃさすがにイケる訳無くて、涼真よりも恋人歴の長い右手で溜まった昂りを吐き出した。
だから…寝てる涼真ではイッてない。
故に無罪…でしょ?
「くしゅん!パンツちょうだい。冷えてきた」
「あ、これ履いて」
俺は手に握っていた濃紺のボクサーを渡した。
「郁弥は…履かないの?」
「あ…まだいいかな」
「じゃ、身体が冷えたからあっためてよ」
「うん、来いよ」
布団を掛けて素肌と素肌で触れ合って、心地好い熱を二人で共有した。
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