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第268話

「何で真咲?血縁でも何でもないのに」 「どうやら大崎先生の母親と仲がよかったみたいで、真咲の事は前から知ってたらしいんだよ」 実姉の義理の母だしそこは分からなくはない。 「後は…咲百合と確執があったみたいなんだ」 「咲百合と?もう亡くなってるのにいつ咲百合と会ったんだ?」 「やっぱり…郁弥は覚えてないと思った」 ええ? 俺、知らない。 「高校生の時、トシマランドに行っただろ?」 「ああ、覚えてる咲百合と涼真と俺と…、……美織…?」 「……」 正解とでも言うように俺の目を見ながら頷く涼真。 「…美織…?え?まさか…」 「そう。そうなんだ」 「えー!別人だろ?雰囲気だって全然違ったし」 確かに負けず嫌いな感じはあった。 だけど昔は人目を引く容姿では無かったし、どちらかと言えば地味。 眼鏡をかけていて、いつもひっつめ髪だった。 トシマランドに行った時は珍しくロングの髪を靡かせていたけど。 「十年以上過ぎるとあんな風に変わるのか…」 「そうらしい」 「友人の子供だから育てたいのかな」 仲の良かった友人が亡くなったから自分が代わりにその子を育てる。 分からなくは、ないな。 けど… 「でも手育てる気があるなら普通はもっと小さい時に言ってくるもんなんじゃない?赤ちゃんは手がかかるしさ」 「今は高校生だしもう何でも出来るしね。でもそういう事でもないんだと思う」 は?尚更分からん…。 「美織は子供を亡くしたらしいんだ」

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