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第7話

明吏side それから、好くんとはよく会うようになった。単純に赤髪が目立っているだけな気がしなくは無いけど…。 糸目に、赤い長髪、ピアスのために空いているところにはいつも違うアクセがつけられてる。今日は長めの、アクセが耳についていて、髪と絡まって痛そうにしていた。 「…絡まったの?」 「んっ、そう。とって?」 「……あー、風の無いところに行かない?取れなさそう」 「…それもそうだね。…ついでにお昼一緒にどお?」 「奢り?」 「いや、別会計」 ぽんぽんと進む会話は、毎回こんな感じ。軽く冗談を混ぜながら、言葉少なく話している。 お陰で何度話の食い違いがあったことか…。それでも、会話自体は楽しい。ちゃうど四限が終わったところ。廊下でばったり出会い、風のせいで絡まったピアスと格闘してたのを見つけた。お昼の時間だし、ご飯でも食べながら絡んでいるのを取ってあげる事になった。 「好くんは何食べるの?」 「今日は野菜の気分」 「ふぅ〜ん。僕も同じにしようかな」 「メイメイはお肉たべなよ」 「なんで好くんが決めるの〜?」 なんで?って笑ってみる。明吏の名前からとって、メイメイらしい。中国語にも似たような発音があるし呼びやすいのだろう。 一ヶ月くらいはこんな感じで、お互い出会った時に話すって感じだったなぁ…。あれはいつだったけ、確か好くんと一緒に取っている授業で少人数の班で一つのテーマについて発表するってなった時だったかな。 「好くん、一緒にやらない?」 「僕も誘うつもりだった。とりあえず、連絡先。交換しない?」 先生が二人からでもいいと言っていたから、好くんと一緒にやる事にしたんだ。他の人だと顔を思い出すのも大変だし、女の子だとメイクとか服とかで印象が変わるから、同一人物?と思ってしまったり…。 男子でも、髪型が変わると分からなくなってしまうから…。出来るだけ印象が変わらないような人と友達になることが多かった。 「そう言えば、聞いてなかった」 「うん。聞いてなかった」 「言ってもなかった」 「うん。言ってもなかったね」 「「ふふっ…」」 「気付かなかった」 「本当にね。今まで知ってると思い込んでた」 好くんとは、初めてあった時から波長があっていたのか、すぐに仲良くなった。さらに、印象も変わらないからよく話していたし、話しかけていた。 スマホをふるふると揺らして連絡先を聞かれて初めて、(嗚呼、そう言えば知らなかったな)と思ったのだ。 二人とも、気づいてなかったんだから、可笑しくて、つい笑ってしまう。 「はい、これで大丈夫だね」 「うん。ありがと好くん」 「どういたしまして。とりあえず個人で調べて、明日か、明後日か…。一回擦り合わせしてみよ?」 「そうだね。それならうちに来る?少し狭いかもしれないけど、大学の近くでほぼ一人暮らしなんだ。父と住んでるんだけど、帰りが遅いから」 「…ん〜、なら少しお邪魔しようかな。そういえば、明後日って土曜日だもんね。そっちの方が予定合わせやすい?」 「土曜日は予定ないからそっちの方がいいかも。あー、でも父さん家にいる」 「メイメイのお父さんさえ良ければ…」 「そうだね。聞いてみる。多分大丈夫だよ」 「無理なら…、そうだなぁ…。図書館とか、別の場所でやろっか。また連絡ちょ〜だい?」 「うん。わかった」 そのあと、父さんに聞いてみたら、久しぶりに友達が家に来るってことで喜んでくれてて…。是非にとの事。土曜日は、家で勉強会?をすることがすんなりと決まったのだった。

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