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第8話

明吏side 土曜日。そういえば、うちに人来るのは、初めて…?確か小学校とか、中学の友達は遊びに来てたって言ってたっけ…。 嗚呼、あの出来事以来、あまり人と関わらないようにしてしまっていたから…。気付かなかったな。高校の時は教室の隅で目立たないように本を読んで過ごしていたし、友達と呼べるような人はいなかった。 「と、父さん…。どうしよ、部屋これじゃ汚いかな…?」 「大丈夫だと思いますよ?それよりも、私は、どこかに出ていましょうか?」 「い、いや、ここにいて…。緊張で死んじゃいそう……」 「それは大変ですね。…落ち着くようにホットミルクでも淹れましょうか?」 「う、ん。…飲む」 僕の、父…は、小児科の医師だ。だから、僕に話しかける時も丁寧で、ゆっくりで…。表情をよく見るようにして話し掛けてくれる。 体調が良くない時はすぐにバレてしまうのは、きっと、父さんが見守ってくれている証拠だ。 「……落ち着いたようですね。…ほら、早く服を着替えて来なさい。お友達が来てしまいますよ?」 「…ハッ!そうだった!着替えてくるねっ!」 「はい。いってらっしゃい」 昨日の夜に片付けておけばよかったんだけど、調べ物してて、気づいたら深夜3時。そのまま眠りについてしまったのだ。 朝、父さんに起こされた慌てて掃除をしたから…。パジャマのままだった。慌てて服を着替えていると、最寄りの駅に着いたという連絡が来てて…。それも10分前……。今からだと駅まで最低でも10分はかかる。20分は待たせてしまうことに…… 「と、父さんっ!好くん駅にもう着いてるって!どうしよ…。自転車ってすぐ使えたっ?」 「…車を出しましょう。戸締りして家を出ますよ」 「あ、うん。分かったっ」 本当は駅で待ってて、一緒に歩きながら、調べたことについて少し話す予定だったんだけど… 朝バタバタと出かけて、父さんに車を出してもらうことになるなんて…。昨日ちゃんと準備しておけば良かったなぁ…と思った。

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