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第9話
明吏side
駅に着いて探しに車を降りる。駅の待合所に行くとそこに座っている好くん…カッコいいなぁ
父さんがいると言っていたからか、いつもカジュアルでピシッとした感じだけど…。今日は、ラフな感じのジャケットを着ていて、いつもよりも大人の人って感じでカッコいい。暇だったのか、本を読んでいる。その姿すら美しい…
「…っ、……なんだ。居たの?声かけてよ」
「…あ、ご、ごめんっ!……かっこよくて。あ、遅れてごめんなさい。父さんが車出してくれたから、案内するね」
「あ、お父さん来てくださったんだね」
車まで行くと、嬉しそうにニコニコと笑っている父さんがいて少し恥ずかしい…。後部座席に二人で並んで座る。
好くんは楽しそうにしていて、なんというか…。服に合ってない感じ…??服の大人っぽさとは裏腹にワクワク感が隠しきれていない。家に来ても特に珍しいものは無いけどなぁ…。
「楽しそう…?そんなに楽しみ?」
「…えっ、…あー、うん。楽しみ。……僕は "独人(ひとり)" だから」
「一人暮らしだとやっぱり寂しい…。時々遊びに来て?……いいよね、父さん」
「ええ、勿論です。あまりお構い出来ないかとは思いますが…。是非、遊びに来てください」
「…あ、りがと、ございます。…お言葉に甘えてたいと思います」
好くん敬語使えたんだ…。なんて、失礼なことを思えば、好くんは僕の考えを読み取ったように、キッと睨まれた…。
「今、変なこと考えた」
「…え〜っと……、気のせいじゃない?」
「…ううん。今、失礼なこと考えてた。そんな顔してたよ」
「…すみません。…敬語使えるんだ」
「ほらっ!めっちゃ失礼!」
「クスッ……。ん、すみません。…仲が、いいんですね。息子が楽しそうにお友達と話しているのをみるのは数年ぶりで…。安心しました。これからも、仲良くしてやってください。……言葉が足りないことがあるかとは思いますが」
なんて、そんなに優しい笑顔で言われら僕も、好くんも何もいえない…。ただ曖昧に笑うことしか出来なかった。
「はい。こちらこそ」
「そろそろ着きます。降りる準備してくださいね」
「「うん」」
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