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第12話
明吏side
発表が終わり、ひと段落したところで、好くんを誘ってご飯でも食べに行こうと思った。
カフェでアルバイトも少ししているし、少しくらい遊んでも怒られないよね…。
「好くん、打ち上げとかしない?」
「僕、焼肉食べたい」
「いいね!行こうよっ♪」
平日の方が人が少なくていいかな…。火曜日は確か全休だったし、好くんも同じ日が全休って言ってた気がする。
とりあえず、誘ってみよ。父さんには申し訳ないけど、晩御飯外で食べてきてもらおう…。
「いつにする?」
「来週の火曜日とかは?」
「おけー!」
焼き肉か…。久しぶりだなぁ…。今度父さんとも一緒に行こう。父さんも僕と同じで、焼き肉好きなんだよね。お刺身とかも好きだけど。基本的には好き嫌いないし、料理を作るときは、ちょっと楽。
僕自身はちょっと好き嫌いが多いから、気をつけていても偏ってしまう。偏ってるかなぁと、思い始めると、父さんがバランスを整えるように急にご飯を作ってくれたり…。
「来週の火曜って、メイメイ全休だったよね?」
「うん。そうだけど…」
確かに暇だけど、何かあったのかな…。内容が分からないと、微妙な返事になっちゃうよね。
少し答えるときに言い淀んでしまったのは許して欲しい。
「メイメイさ、水族館とか興味ない?」
「水族館…?なんで?」
「んー、遊びに行こうかなって。一人だと寂しいじゃん?」
「なるほど、一緒に行ってあげてもいいですよ?」
なんて、ちょっと構ってみると、少しムッとしてる。好くんは僕がちょっと揶揄っているのを理解しているのだろう。
好くんも、時々僕のことを揶揄ってくるから、お互い様だ。ついつい忘れがちだが、好くんは僕の学科の先輩なんだよなぁ…。
「ちょっと馬鹿にした⁇」
「ふふっ、バレた?僕も、水族館興味あるから一緒に行こ?」
「うん。朝10時に、最寄りの駅で」
「はーい」
ちゃんと行き方を調べてくれていたみたいで、「はい」と渡された八つ折りの紙には僕の家から水族館に行くまでのルートが載っていた。
また、電車に乗ることになるのだが、乗り換えの駅や電車代まで丁寧に書いてあり…。
これ、僕が断ったらどうするつもりだったんだろうか…。なんて、考えて…。僕が断らないって思ったんだろうと結論付けたのだった。
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