15 / 40
第15話
明吏side
迷子センターって何処だろ…。探しながら歩いていると、いつの間にか僕と男の子しかいなくなってて…。
「…え、えぇ。好くん…??何処行っちゃったのぉ……。見つけられる気がしないんだけど」
「…お兄ちゃん、…僕、ママに会える?」
「う、うん。…大丈夫だよ。……ちゃんと会えるからね…」
励ましてはみるけれど…。ちゃんと迷子センターまで行けるか不安で仕方ない。こんな事なら好くんと手を繋いでおけば良かった。
パンフレットを見ながら歩くが、それらしいものが見当たらない。そんな時、電話が鳴った…
「…もしもし?」
『もしもーし。メイメイ?今どこ?』
「えーっと、亀がたくさんいる水槽…」
『おっけー今から行く。そこでまってて』
そう言ってぷつりと切れた。下手に動くと会えなくなりそうで…。仕方なくそこで亀を見ながら二人で待っていた。
「あっ、いた!メイメイ!」
「ママー!」
「良かった…。心配したのよ!…お二人とも、ありがとうございました」
「いえいえ」
「良かったね、ボク。今度は迷子にならないようにね」
「うん!お兄ちゃんばいばいっ!」
好くんは、迷子の男の子のお母さんと出会ったみたい。お母さんを連れて僕のところまで来た。迷子の子も、ちゃんとお母さんと会えて良かったと思う。
それにしても僕まで迷子になるとは…。手を繋いでおこうかな…。僕の名前で迷子の放送なんてされたら、たまらない……
「迷子になったかと…」
「迷子だったよ?」
「………うん、そうだね」
「手でも繋ぐ?」
「…うん。放送なんてされたら恥ずかしくて、たまらない」
放送をかけられるよりは、手を繋ぐ方がいい。男同士で手を繋げば、目立つ事はわかるけれどそっちの方がまだいい。
ただ、仲がいいと思われるだけだろうし…。
そう思って手を繋ぐ。好くんの手は思ったよりも冷たかった…。
ともだちにシェアしよう!