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第17話

明吏side 作り終えると、結構いい時間になってて、最後にイルカショーを見て帰ることにした。 イルカショーは、外だから…。ちょっとだけ、肌寒い…。水が掛からない所に座って、見ていた。寒くて手を摩っていると、そっと手を繋がれる。好くんの手、あったかい… 「少しは良くなった?」 「…うん。…ありがと」 「風邪ひかないようにしなきゃね」 「そうだね」 おっきくジャンプしたり、クルクル回ったり…。イルカたちも楽しそうだなぁ…。 ぼんやり見てたら、終わっていて、ぱらぱらと人が帰り始める。僕たちも、席を立ち歩き始める。さっきのイルカたちが頭から離れない 「入夏、可愛い…」 「…ん?うん…イルカ、可愛かったね」 「…うん。イルカも、イルカを見てるメイメイも、楽しそうで良かった」 「うんっ!楽しかった。ありがと、好くん」 水族館から出て少し歩くバス停。バスに揺られて15分。予約していた焼肉店の近くに停車する 好くんは、バスに乗るのは初めてらしく、ワクワクしていたが、酔ってしまったらしい…。気持ち悪そうにしてるから、ちょっと申し訳ない 「大丈夫?もうすぐだよ…」 「………ん、…だ、いじょぶ……」 「歩けそ…?」 「…うん。…多分」 バス停について降りると、外の空気で少し速くなったのか、顔色が少しだけ良くなった気がする。少し歩くと治ってきたみたい。 喋る元気も出てきたのか、少しずつ会話が増えていく。久しぶりの焼肉、何食べようかな…。 「着いた?」 「うん。着いた」 「予約したんだっけ?」 「うん。言ってくるね」 「はーい」 受付のおねーさんに、名前を言えば先に案内しくれる。お酒ありの、110分コース。焼く時間もあるからちょっと短いような気もしなくは無いが、お財布的にこれが限界だった。 「わぁ…楽しみっ!」 「うん!楽しみだね。好くんは何が好き?」 「んー、タンかな」 「美味しよねっ!僕も好き」 「後は、ハラミとか?」 「いいねっ♪ 頼もっか」 「うん」 数品頼んで運ばれてくるのを待ちながら、僕はまだ二十歳になって無いから、オレンジジュース。好くんはカシオレを頼んで乾杯した。

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