18 / 40
第18話
明吏side
お互い好きなものを頼んで、楽しく話しながら飲んで、食べて。お腹がいっぱいになった。
「ねぇ、メイメイ。家来ない?泊まってってよぉ〜」
「酔ってる??」
「酔ってなぁ〜い!ねぇ?いいでしょ〜?」
好くんはお酒飲んでたけど、顔には出ないし、店の中ではしっかりしてたから…。全然気づかなかった。ちゃんと酔ってる……
店を出て人通りの少ない道を歩きながら、バス停の先、ちょっと遠いところにある駅を目指していた。バスは来る時の感じで乗るのをやめた。手を絡ませて繋ぎながら、腕を抱きしめるように、撓垂れかかってくる…。
「ねっ、泊まってこぉ〜!……ひとりは、寂しいから…」
「うっ……分かった…。一回家寄っていい?泊まるにしても服…」
「僕の使えば?下着は買えばいいよ。お父さんに連絡なら、もうしたよ」
「…それに父さんに、……は?…今なんて?」
「お父さんに連絡した!泊まっていいって!」
「いつの間に…??」
いつの間に打ち込んで…。いや、その前に、いつ連絡先を交換して…。ハッと気づいて僕のスマホを取り出せば、僕の打ち方に似せて、僕の知らない文が打ち込まれていた…。
「好くん…。僕の……勝手に…」
「…うん。ごめんね?」
「はぁ…。ロックの設定してなかった僕も悪い……。好くんの家の近くコンビニってある?そこで下着だけ買う…」
「うん!あるよ!案内するね〜」
酔った好くんは甘えん坊になるんだなぁ…。それに常識的なことを全く無視する…。まさか、勝手にスマホを使われるとは微塵も思わなかった。まぁ、大した事はないからいいけど…
父さんからの許可も出てるし、1日くらい…。ちょっと羽目外して、友達の家で、お泊まりしても許されるよね…?初めてのことにドキドキするのと共に、とてもワクワクしていた。
ともだちにシェアしよう!