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第21話
明吏side
今日は二限と、四限、五限。最後まで授業を受けると帰りが遅いからちょっとだけ、晩御飯の支度が大変。父さんは今日当直って言ってたかな…。帰ってこないんだっけ…
「おはよー、明吏。…あれ?今日香り違うね?」
「おはよ。…あー、多分先輩の家に泊まったから」
「なるほ〜。最近、赤髪の先輩と仲良いもんね。あの人怖くない?」
「いや、そうでもないよ?」
「へぇー、噂と違うんだー」
よく隣に座ってくる子。髪型がよく変わるから名前が覚えられない…。ただ、よく話しかけてくれるとてもいい子。勝手にミドリくんって呼んでるけど…
この子の髪の色、緑の頻度が高いから。隣に座ってノートを開くけど…真っ白……。そう言えば、この前の授業。隣でぐっすり寝てたな…。
「はっ!寝てたんだ!どうしよ…。ノート…」
「写す?」
「本当!?わーい!ありがとー明吏ー!」
「どういたしまして」
そう言って、一生懸命に写してる。始まるまでに時間があるとは言っても、数分で授業が始まる。間に合うのかな…
隣で書いている音を聞いているとちょっとだけ眠たくなってくる…。
「あれ?明吏眠たい?」
「んー、うん。ちょっとね」
「明吏、俺の名前覚えてる?」
「…ん〜?あー、えーっと……」
「あはっ、覚えてないじゃん!俺、翠(みどり)今度は覚えてよー?」
今度は覚えられそう。髪の色と名前が一緒だと覚えやすくていいなぁ…。多分、苗字は覚えられないから名前だけ言ってくれたんだと思う。
どうやら、授業前の時間では書き終わらなかったみたい。ノートは返してもらわないと、僕が黒板を写し取れないし…。授業終わりにノートを写すことになった。
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