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第22話
明吏side
授業が終わり、席を立とうとすると引っ張られる感覚。そうだった、ノート…。座り直して、そっと開く。隣で必死に書いている音を聞きながら少しうとうとしていた。
「…明吏。…明吏っ!」
「………ん?なに?」
「三限始まる。ここ使うって」
「…あー、図書館行く?」
「うん」
うとうとしてるところを起こされて、ぼんやりとしたまま歩き出す。翠くん、僕よりも背が低いんだ…。僕も高い方ではないけど…。
図書館行くの久しぶりだな。そう言えば資料が欲しいんだった。ついでに調べていこうかな。三限は空きだし…。ちょっと早めに切り上げてご飯食べちゃおうかな。
「図書館に何しに行くの?」
「…え?ノート写すんでしょ?」
「終わったよ?」
「あ、そうなの?なら行かなくてもいいじゃん」
「暇だし行ってみない?あれ?三限あった?」
「ん〜、いや。空きだよ」
図書館に行き、結局二人とも別々に資料を調べてノートをまとめていた。そろそろこのレポート完成させないとなぁ。まだ少し余裕があるけど、早めに終わらせておきたい。
「あれ?メイメイじゃん。調べ物?」
「あっ、赤髪先輩!」
「君は緑だね〜」
二人とも髪の色で呼んでる…。名前知らないから仕方ないのかもしれないけど。なんと言うか…。悪口になってないかと不安になる……。
「好くん?三限授業って言ってなかった?」
「休みにした〜。まだ休んでも余裕あるし。調べたいものあったんだよねー」
「好くん⁇」
「嗚呼、昨日家に泊めてもらった好先輩。好くんこっちは、翠くん」
「見たまま!分かりやすいね!」
似たもの同士かな…。二人が喋ってるのを聞くと兄弟みたい。なんだろ、イントネーションかなぁ…。似てる。
「…メイメイ?…手、止まってるよ?」
「明吏?考え事?」
「なんというか、二人とも似てるね」
「「似てないよ?」」
見事にタイミングが被って、二人は顔を見合わせて笑っている。まぁ、僕たちは喋りすぎてここが何処か忘れていた。司書さんに煩いと注意されて…。そこからは静かに、課題を終わらせた。その流れで、そのまま昼食を一緒に食べた
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