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第29話
明吏side
好くんと、仲直りが出来たと思う。翠くんのお陰だし、何が好きか分からないけど…。ガトーショコラを作ってみた。僕も食べたかったし…
小さなカップに何個か作る。翠くんと好くんの分と、僕の分。味見で食べたら美味しかった。一個僕ので、一個父さんの。好くんと翠くんには三個ずつ。綺麗にラッピングして大学に持っていった。お昼一緒に食べる約束だからその時に渡せばいいかな…
「おはよー。あれ?元気そうだね」
「おはよ。いつも通りだと思うけど?」
「ふはっ…。仲直りしたんでしょ?バレてるぞ〜?…ふふっ、あはははっ」
あまりにも楽しそうに笑うからつい、つられて笑った。いつも楽しそうな自由な感じがするけど、今日はいつにも増して楽しそうだ。
「…恋人?」
「あはっ、バレた?そうだよ。今日はね、俺の恋人に会う日なんだっ」
「…ふふっ、なるほど。……確かに、分かり易いね。そっか、楽しんでね」
「ありがとっ♪」
そんな話をしていたら先生が入ってくる。今日は昨日と違ってちゃんと授業を受けてノートも取った。そろそろ夏休みだし、テストがある。
遊ぶ予定も立てたいけど、その前にテスト勉強しないといけないなぁ…。一夜漬けとかは無理なタイプだから、コツコツと勉強してたけど。今回のところは、ちょっとだけ苦手なところが多いから少し不安だ。
「…ん〜!終わったー!」
授業終了のチャイムが鳴り、先生が教室を出れば、隣で伸びている声が聞こえる…。この子、そう言えば頭いいんだっけ?
「…」
「あれ?なんか今、失礼なこと考えてない?」
「…いや、そんな事」
「そ?ならいっか…。次って、空き?」
「あー、空いてるけど…」
「図書館でちょっと復習と、勉強会しない?」
「いいよ。行こっか」
パタパタと教科書やノートを閉じて片付ける。必要なものを持って図書館に移動。この教室からだと少し遠いけれど、話しながら歩いていたら思ったよりも早く着いた気がする。
空いてる席に座って、二人で教科書を開く。復習のために教科書を読み直したり、ノートをまとめ直してみたり…。次の授業の範囲を軽く予習したり。気づけば時間は過ぎていた
「明吏の集中力凄いね」
「え?そお?」
「話しかけたの全部無視するんだもん。泣きそうだったんだけど」
「え…、ごめん……」
「それより、そこ間違ってると思うけど?」
「……どれ?」
パッとノートを見ただけで分かるのすごいな。確かに説明を聞くと間違っていた。今日の授業で分からなかったところだったので、翠くんに聞いてみる。翠くんは、教え方がとても分かり易くて、直ぐに解けるようになった。
「ありがと」
「どういたしまして〜」
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