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第30話
明吏side
三限の終わりのチャイムが聞こえる。それと、同時くらいに好くんから連絡が来た。カフェテリアで待ってるって書いてあったけど、距離的に同時に着きそうだなぁ…
「連絡?」
「うん」
「なんて?」
「カフェテリアで待ってるって。行こっか」
「…う、ん。…今更だけどさ、俺が行ったら、二人の邪魔じゃない?」
「…え?来てくれないと困る」
翠くんが来てくれないとガトーショコラが渡せない。カフェテリアに一緒に行くと、ゆっくり話しながら歩いていたからか、先に好くんが着いていた。
席に座って紅茶を飲んでいる。注文しているみたいだし、僕たちも注文してから合流しようかなぁ…。今日は何にしようかな
「何にするの?」
「オムライスにしようかなぁ〜」
「意外と子供っぽい」
「……翠くんは何にするのさ」
そんな事をぶつぶつと言いながら注文していると少し時間が掛かってしまった。好くんが待っている席に着くと一言 "遅い" と言われた。
だいぶ待たせてしまったのか、暖かかった筈の味噌汁から湯気が消えている…
「ごめんね。冷めちゃった?」
「いや、それは大丈夫だけど。…翠と、何話してたの?」
「…ん?…あー、えっと。ご飯何にするって話してたぐらいだけど?」
「…ふぅ〜ん?」
なんか、ちょっと不機嫌?なんで?よく分からなくてキョトンとしていると、横から翠くんのため息が聞こえてくる。
「はぁ……。駄目だよ…。ちゃんと、好先輩の気持ちを汲み取ってあげなきゃ。…嫉妬してるんだよ?俺と明吏が、"友達" だと分かってても俺と話してるの嫌なんだって…」
「……嫉妬…」
「そうだよ。ねっ?…好先輩?あ、ちなみに、俺、恋人いるんで。巻き込まないでね?」
「…僕、翠と仲良くなれそっ♪」
一気に機嫌が良くなったのを見て、これからはちょっと気をつけなきゃって思った。それに、ちゃんと僕も好くんのこと、考えなきゃ…。
"好き" って、難しい…。何処からが、友情じゃなくて、愛情になるのか。好きと性欲と何が違うのか…。難しく考え過ぎてしまっている?
まだ、僕には分からないけど…、でも、好くんとはずっと一緒に居たいと思う。
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