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第39話

明吏side 美術館をでた後、好くんおすすめのカフェでお茶をする事に…。そのカフェは路地裏のような、奥の道に隠されるように建っていた。 ちょっと人気が少ない道だが、隠れた名店のようで店の中に入ればとても賑わっていた。 紅茶もコーヒーも沢山の種類が揃えられていて、メニューも沢山ある。 「…良いところだね」 「でしょ?ここ隠れた名店みたいなんだ」 「やっぱり?そんな気がした」 「なに頼む?」 「ん〜。好くんにお任せする」 好くんは慣れたように紅茶を頼んでくれた。 店員さん一人で店を仕切っているのか少し時間がかかったが、出された紅茶の味はよく分からない 好くんとの初デート緊張し過ぎているのだろ…。 香りがとてもいいから、とても美味しいのだろう また今度一人で飲みにこようかな…。 この後は、晩御飯を食べて好くんの家にお泊まりちゃんと父さんに許可も貰ったし…。 不安なのは、『今夜、抱かれることになるのか』という事…。嫌ではないけど…ちょっと怖い…… 「どお?楽しめた?」 「うん。楽しかったよ!」 「それなら良かった」 「……」 「今度のデートはメイメイの好きなところに行こうよ。後、海にも行こうねっ」 「…うん。楽しみだねっ♪」 晩御飯は、軽く済ませようとファミリーレストランに入った。多分、久しぶりに入るんだけど…、高校以降には行ったことがなく、馴染みのない店のように感じて、ちょっとだけ居心地が悪い。 頭の中は、この後の事を色々想像してしまって、話がなかなか耳に入ってこない…。 「…メイメイ?…大丈夫?疲れた?」 「ううん、大丈夫…」 「そ?ならいいけど…」 「うん」 「無理はしないで?」 何も言われてないから、本当にただのお泊まりなのか、抱かれるのか…。僕が抱く想像は全く出来なかったし、抱かれる方がいいって思った。 一応、調べて勉強したし…。色々準備したし…。 …エッチな子だと思われたくは無いけど、でも、好きな人といたらヤりたくなる。 「…」 「……」 「…ごちそうさまでした」 「ごちそうさまでした」 「帰ろっか」 「うん」 お会計を済ませ、手を繋いで好くんの家まで歩くそこまで遠くはないけど、冬になりかけた秋の夜そこそこに風が冷たい…。緊張で火照った体にはちょうどいい。

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