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第2話 俺、お見合いします1
遡ること1日前
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「千隼ちゃん、明日私の旧友のお孫さんとお見合いをすることになっからね。」
…は?え、ちょ。は?
「千隼ちゃんそういう人いないでしょ。若い今を逃したらもう終わりよ。」
そんなの爆弾発言をホイホイ繰り出すのは俺のばあちゃん。小さい頃に両親を事故で亡くした俺とねーちゃんを引き取ってくれた人。
「そーよそーよ。あんたなんか発情期も来てないオメガなんだからこーゆ機会のがしたら孤独死まっしぐらよ?」
そうばあちゃんに続けたのがねーちゃん。いや…あんたにだけは言われたくねーよ。と言いたいところだが残念ながらねーちゃんは結婚して子供もいる。
「え、まっ…え?お見合い、?」
俺は動揺の中やってでた言葉を発した。
まて、まて、まて。お見合いだと?え、アルファ?え?恥ずかしながら恋人というものがいない歴=年齢の俺は恋をしたことすらない。恋もせずお見合い?何時代ですか、、?
俺の脳は会話に追いつく事が出来ずにいた。
「そうよ、お見合い。お相手アルファの次期社長さんよ。26歳だから千隼ちゃんとは5つ違うのかしら?そんなに変わらないわね。」
そうだね。...じゃないよ。え?アルファで次期社長、、?何そのねーちゃんが昔持ってた少女漫画みたいな話。え、そんな御曹司が俺とお見合い?なぜ、、?
俺の疑問は加速していく。だがそんなことばあちゃんは気にもとめずねーちゃんと話し込んでる。ねーちゃんは時々俺の方を見てはニヤニヤ。
は?お見合い?え、、?
俺はというと...ぼーっとお見合いという文字を頭に浮かせ一日を過ごし、当日を迎えたのだった。
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.....相手が来ない。俺はソワソワしながら、いかにも老舗高級料亭という肩書きが似合う料亭の一室で木彫りで装飾がされた高そうな椅子にばあちゃんの隣で座っていた。俺のソワソワの原因はお見合いが心配ということもあるが...それに加えて、
『お相手の方が来たら2人だけにしてあげるからね。若いもの2人でなんていうじゃない?』
なんてまたばあちゃんが爆弾発言を投下したからである。
なぜ2人?仮にもアルファとオメガだぞ??まあ?発情期来てないんですけどねー??
ダメだ。何を考えても無駄だ。もう、なるようにしかならない。俺は悟った。
、、というかさっきからやけに甘い匂いがする。お香?でもそんなの炊いてないしもっとこう、、薔薇?みたいな。…嫌な匂いではない。むしろもっと嗅いでいたい。
「ねえ、ばあちゃん。なんか甘い、...いい匂いしない?」
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