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第3話 俺、お見合いします2

「甘い匂い?そうかしら、?」 え、、、こんなにも甘い匂いなのに。 体の奥にまで入ってきて嗅ぐ度体が熱くなり、ぼーっとする。 「千隼ちゃん。あなたさっきから顔が赤いわよ。熱でもあるのかしら、、」 「え...?そんなこ、、」 (コンコン) 俺が答えるのと同時に扉がノックされた。 「佐々木様。橋倉様がいらっしゃいましたので扉を開けさせていただきます。」 店員さんらしき人が扉を開けた。 どんな人なんだろう。気難しい人だったらどうしよう、、 それよりほんと...クラクラしてきた、。やばいかも。 ばあちゃんと同じくらいの年であろう男性と共にお見合い相手と思われる男の人が部屋に入ってきた。 俺は虚ろな目でその姿を視界に入れた。 「いやぁ、ごめんなぁ春子さん。仕事がなかなか片付かなくてね」 気前の良さそうな老人はばあちゃんの名前を呼んでそう謝った。 ばあちゃんが老人と話している間俺の視線はその隣にいた顔の整ったアルファらしき男性にしか向かなかった。 何故かすごく惹き付けられる。それに凄くいい匂いがする。不意に目があった。その人は眉間に皺を寄せて俺を見ていた。 (え..?俺なんかしたっけ、、、?) 「お前、、、」 え、今なんか言った、、、? ダメだ意識が朦朧とする。 「あぁ!千隼ちゃんほら挨拶して。こちら、橋倉さんよ」 「、、、あっはい。」 俺は椅子から立ち上がった。が、それと同時に視界がぐらついた。 目眩がした。あのいい匂いでぼーっとする。 (いい匂いだなぁ。眠ってしまいたい。) ばあちゃんが何度も俺の名前を呼んでいた気がしたけれど、、、まぁいっか。 俺はそのまま床に倒れてしまった。

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