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第5話 俺、ピンチみたいです1

次の日になっても熱っぽさが引かなかったので、ばあちゃんに言われた通り病院に行くことにした。 俺は立っているのがやっとの状態だったがフラフラした足取りで家を出た。 -------------------------------- よろよろと歩いていると、すれ違ってゆく何人かの人にチラチラと見られているような気がした。 (え、なに、、?) 確かに足取りは悪かったものの傍から見たらただゆっくりと歩いている人にしか見えないはずだ。俺は気にせず歩いていた。が、 「チッ発情したオメガがノコノコ歩いてんじゃねーよ」 ふいにすれ違った男にそう言われた。 (え、、?発情、?なんの事だ?) 「んん、、」 ダメだどんどんぼーっとしてくる。だが道で昨日みたいに倒れるのはまずい。 そんなことを考えていると、 「ねーねーおにぃさん〜。そんな甘い匂いさせて歩いてるなんて誘ってるの〜?」 「え、うわっ、」 30代くらい男に方を肩を掴まれた。 (え、?なに匂いって、、え?) 「な、、なんですか?」 「なんですかはねぇだろ。襲って欲しくてやってんだろ?」 (なにを言ってるんだこの人は、、?) 「ほらよぉ〜早くこっち来いよ。」 腕を掴まれた瞬間身体中に鳥肌が立った。 (なんなんだよ。気持ち悪い、、) 男の手を振り払おうとしたが体調が悪く弱々しい抵抗しかできない。 「やっ、やめてくださいっ、、」 「来いっつてんだろっ」 腕を引っ張られそうになった瞬間誰かが男の手を俺の腕から引き離し、それと同時に俺の腰を抱き寄せた。 (あ、この匂い、、) 「私の連れになにか?」 俺は顔だけ後ろに向けた。そこに居たのは 「は、橋倉さん、、」 "やっぱり"と思った。抱き寄せられた瞬間からそうだと思っていた。いや確信していた。 男は橋倉さんに手首を握られるとバツが悪そうに 「そ、そいつが誘ったんだかんな、、っ。俺は悪くねぇっ、、」 と言い、バッと手を振りほどき走っていった。

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