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第6話 俺、ピンチみたいです2

ほっと安堵したのもつかの間俺は今自分の置かれている状況を理解した。 「はっ、しくらさっ、、、」 顔が熱くなる。 ( 恥ずかしい....。) こんなイケメンに腰を抱き寄せられているという状況に俺の心臓は耐えられなくなり、心音が聞こえてしまうのではないかと心配する程にバクバクしていた。そんな中でもいい匂いだなぁ、とばかりばかり考えていた。...俺もしかして匂いフェチ? 「千隼といったな?千隼。抑制剤はどうした?なぜ飲んでいない?」 確認するかのように橋倉さんは俺の名前を呼んだ。 抑制剤?なんのことだ??発情期も来てない俺がそんなもの飲むわけない。 「……んぇっ?抑制剤ですか?飲んでません。...だって俺、発情期来てません。」 そんなことどでもいい。もっとこの匂いを嗅ぎたい。そう思った瞬間 ドクンッ 心臓が先程と比にならない位の大きさではねた。 (、、、え?) 気づいたときにはもう足の力が抜けていて俺は地面にぺたりと座り込んでいた。 「ち、千隼」 橋倉さんは俺の身体を支えつつも腕で自らの鼻を覆った。 (え、?な、なにこれ、、、?) 「んっぁっなんか急にあつく、、なっ」 (なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ) 俺は急激な体調の変化に動揺しオロオロとしていた。 「はしくらさっ、、、はしくらさん俺っなんかヘンですっ」 (ざわっ) 辺りが騒がしくなり始めた。すると一人の女の人が俺たちに話しかけて来た。 「どうしました?発情(ヒート)ですか?」 「すみません。この子発情を起こしてるようなのですが抑制剤を持っていないと言っていまして、、、」 橋倉さんがそう答えた。 「交番で特効薬を貰ってきますね。多分抑制剤ではもうあまり効かないかと、、」 「ありがとうございます」 俺はぼんやりとする視界で2人のことを見ていた。 (え?発情...?俺が、、、?) 「はぁっはぁ、、はっ、息がぁっ」 俺は戸惑いと驚きで息が出来ず過呼吸になってしまった。 「大丈夫だ。落ち着け。」 「はぁっ、、はぁ、はっ、」 橋倉さんがなにか声をかけてくれた気がしたけれど俺はそれをを耳に入れる余裕なんてなかった。 「、、、悪く思うなよ。」 そんな言葉が聞こえた気がした。と思った次の瞬間橋倉さんの顔が俺に近ずき唇を奪われた。まるで大丈夫だ。と言っているかのようにキスをしながら背中をさすられた。 「んぅっ、、はぁっ」 (ん...気持ちい..落ち着く、、) 呼吸が元通りになると俺は今なにが起きたかを理解した。 (え、、?え、え!?) 「大丈夫か?」 橋倉さんは何も無かったかのように俺にそう聞いた。 「は、はい、、」 俺は先程起きたことに驚いていた。 (え、さっ、さっきのってき、キス、、、?) … 「んぁっ、、んん、、」 だけどそんなことを考えている余裕はなく、体はどんどんと熱さをましていった。 「橋倉さっ、、たすけてぇ、、っ」 そう言いながら俺は橋倉さんのコートの襟らへんに手を伸ばし、掴んでいた。 「、、、っちは、、」 「すみません!遅くなりました。」 橋倉さんがなにか言おうとしたのと同時にさっきの女の人が戻ってきた。その人の手には注射器のようなものがあった。それを橋倉さんが受け取った。 「千隼。袖まくるぞ。もう大丈夫だからな。」 そう言い橋倉さんは俺の頭を撫でた ー。 ……すごく安心した。だけど、チクッとした痛みを感じたのと同時に俺の意識は途切れた。

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