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第8話 俺、出会いました2

念のため一日だけ入院するということになり診察は終わった。病室に戻りベッドに横になった俺は、"運命の番"という言葉に翻弄されていた。 (話し合うって...。まだ俺と橋倉さんは結婚するって決まったわけでもないしだいいち、橋倉さんはお見合いのことをどう思っているのだろう...もし嫌々結婚して番契約までさせられるなんてことになったら橋倉さんの気持ち考えなすぎだよな、、、) (あれ?でもこれって俺は結婚しいてもいいって思ってる挺じゃない?) 思い返すと橋倉さんのことばかり考えていた。 「、、、あっ、、、」 それが引き金となり俺はあの出来事を思い出してしまった。 ………………………………………… 『はしくらさっ、、息がぁっ』 『大丈夫。落ち着け』 『はぁっ、、はっはっ、』 『悪く思うなよ、、、』 ………………………………………… そう言って俺に、、、 「うわぁっ…っま、っあれって、」 (き…キス、、、、?あ、いやでもあれは俺を助けてくれたわけだし、?いやでもキスだよな〜っ……ふぁ、ファーストキス、、、) 俺は頭を抱えた。 びっくりした。恥ずかしかった。でも、、 「嫌ではなかった、、、。」 (ダメだ、、、思考が乙女みたいになってるっ!これじゃあまるで俺が橋倉さんを好きみたいじゃないか、、、!) (ん、、、?) 頭をブンブンと振った俺の視界に不意に入ったのは黒いコートだった。 (誰のだろ、、、) 「あの、っ」 俺は病室近くにいた看護師さんに声をかけた。 「はい。どうかしましたか?」 「あの……このコートって、、、」 その看護師さんは 「あぁ、そのコートですか?佐々木さんを病院まで運んでこられた方が病院に入ってくる際に佐々木さんにかけていましたよ。橋倉さん?と仰ってたと思うのですが、、」 それだけ言うと病室を後にした。 「は、橋倉さんの、、、」 俺はコートにそっと手を伸ばした。しかし、その手の指先がコートに触れるのと同時に俺は我に帰った。 (いやいや何してんだ俺!!この手!なに!) 伸ばした自分の手を睨みベチベチと叩いた。 この時の俺は呑気すぎた。先生に言われたことも忘れている程に。

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