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第11話 俺、大学行かなきゃです2
「なんで2週間も休んでたんだよー」
勇治がそう俺に聞いた。勇治の髪色は明るめの茶色。背は180近くあって顔はまぁ男の俺から見てもかっこいい。
橋倉さん程ではないけど、、、
(あ、、っ何俺橋倉さんと比べてんだ。……橋倉さん背もっと高かったよなぁ185とか、、、?)
「おーい??」
勇治がそう言いながら俺の顔の前で手をヒラヒラと動かした。
「んえ?あ、、っ」
(やばっめっちゃぼーっとしてた、、、)
「佐々木くん、なにかあったの?」
次に聞いてきたのは伊藤さんだった。
(伊藤さんなら同じオメガだし、少しは話しやすいかも、、、)
「あ、伊藤さん…少しいいかな?話したいことがあるんだけど。」
「え、うん?いいけど。」
伊藤さんが答えた瞬間俺は殺気を感じた。
(結城、、、。こっわっ、、、その人殺しそうな目で俺を見るな、、、)
結城は女性型のアルファでふだんは落ち着いてる感じだけど伊藤さんのことになると殺気に溢れた笑顔を見せる。
「ゆ、結城、、、?えっとその、、2人で話したいってゆーか、相談したいことがあるってゆーか、、、いいでしょうか、、?」
俺は片目をつぶって結城の方を見た。
「ははっ、千隼敬語になってるし」
「うける」
勇治と俊介が茶化してくる。
(そりゃあんな顔で見られたら敬語にもなるわっ、、)
「半径50cm内には絶対近づかないでよ、、?分かってるよね?」
(分かってる、、、っ分かってます、、、っ)
「分かってるって、、、」
俺は震えながら伊藤さんと講義室をでた。伊藤さんは何も無かったかのような顔をしていた。
(もはや伊藤さんまでもが怖いっ、、)
俺は講義室近くにあった自動販売機の置いてあるスペースで伊藤さんに話すことにした。
「あのさ、俺オメガじゃん?じ、実はさつい最近まで発情期来てなくて、、、で、1週間前急に来て、あ、その前は体調が悪くて休んでたんだ。」
「そうだったんだ、!そういうのって結構言いずらいよね、、、」
「うん、、でさ。病院行ったら急に来た原因がさ、、、し、信じられないかと思うって言うか何言ってんだって思われると思うんだけど、、、」
俺は少し震えながらはなしていた。恐怖とかではなく、緊張から。
「うん、?」
「"運命の番"に出会ったらって言われたんだ、、、」
「え、?!運命の番ってあの都市伝説の!?」
「ご、ごめんなさい!大きい声出しちゃって。びっくりしちゃって」
驚くのも無理はない。だって"運命の番"なんて俺たちにとって漫画の中ような話だ。
「そっかぁ…じゃあ発情期が来てなかったのは、きっとその人に出会うのを待ってたんだね。」
伊藤さんが微笑みながらそう言った。
「、、、っ」
俺は発情期が来ていなかったことを気にしていないふりをしていた。や、気にしてなかったっちゃ気にしてなかったんだ。だけどやっぱりオメガの中での劣等感を感じてしまっていた。
「うん、、、」
俺は目を擦った。泣いていたんだ。
ここ最近の不安から解放されたような気がして。
「、、、ごめん、俺、、、っ」
「初めてのヒートって怖いよね、、、大丈夫。みんな同じだから。」
伊藤さんはそう声をかけてくれて俺の背中をさすってくれた。
どうしてだろう。無性に橋倉さんに逢いたくなったのは、、、。
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