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第16話 俺、乗り込みます2
※後半女性αと女性Ωの夫婦また、その子どもの話があります。会話上のみです。私はオメガバースの世界のため百合といった認識を持っていませんが苦手な方は自衛お願いします
話があると言われた俺は橋倉さんと一緒にエントランスホールのカフェスペースへ向かった。
(話ってなんだろう……。迷惑かけたから見合いはなかったことにとかかな……)
席に座りそんなネガティブなことばかり考えていると、
「見合いの話だが……」
ドキッ
(やっぱりその事か……っ)
「は、はい。」
俺は俯いた。顔をあげるのが怖かった。
(断られる……?、、あれ?)
その時は俺はようやく気づいた。自分はこの人と結婚してもいいと思っていることに。
(……まじ…か。)
「……見合いの話だが、俺は前向きに考えている。だから千隼にも考えて欲しい。」
(え……?橋倉さん…考えてくれてたんだ。待って……嬉しい…。)
「俺もっ、!したいって思ってますっ」
俺は食い気味に返事をした。すると橋倉さんはすごく驚いた顔をして
「そうか……。」と笑いかけてくれた。
(うっ……顔がいい…)
俺はどうやら橋倉さんの顔が好きらしい。見ていてこんなにドキドキするんだから。
「俺、嬉しいです……」
「結婚は千隼が卒業してからにしよう。もっとお前のことが知りたいからな。」
「俺も橋倉さんのこともっと知りたいです。」
「今更変かもしれないが……」
俺は橋倉さんに手を握られた。
(わっ…えっ、)
「結婚を前提に、俺と付き合ってくれ」
「は……はい…っ!」
すごく真面目な眼差しで言われたもんだからドキドキで死にそうになったのはここだけの話。
…………………………
橋倉さんは仕事があるらしく秘書?の人に呼ばれ行ってしまったので俺は帰ることにした。
(橋倉さんと俺が……)
「恋人……」
小声で呟いたはいいものの恥ずかしくなり
「わぁぁーーー!」
と叫んでしまった。周りの人には当たり前だが、ジロジロ見られ余計に恥ずかしい思いをした。家に着くと女性物の靴が2足と子供用の小さい靴が玄関に並べてあった。
「ただいま〜」
「おかえりなさい」
ばあちゃんが玄関まで来てくれた。
「姉ちゃん達きてるの?」
「そうなのよ。挨拶してね」
「分かってるよ。何歳だと思ってるの……」
「ふふっ」
「姉ちゃんおかえり。香澄 さんもこんにちは。」
香澄さんってのは姉ちゃんのお嫁さん。俺の義理姉にあたる。
「ちはおにぃちゃん〜」
「うわぁっ、」
そう行って俺に突撃してきたのはその娘の南乃花 4歳だっけ?たくましい子……
「なのちゃん。こんにちは〜」
「こんにちはっ!」
(はぁ…可愛い…なんという癒し…)
「千隼あんた発情期来たんだってー?」
ニヤリとこっちを向いて聞かれ
(げっ……なんで知ってんだねーちゃん…)
「おばぁちゃんに聞いたわよ〜」
そう言ってニヤニヤと笑われた。
(チッ…いちいち顔がムカつくんだよ!!)
「そうだけどなにか!!」
(姉ちゃんにこんな早く知られるなんて…てか!ばあちゃん!!)
「…良かったじゃない。」
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