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第18話 俺、デートします1
『今度、一緒に出かけないか?』
ハッキリと画面にはそう出ていた。
「え、うぁぁまじかぁ!」
今までの人生で1度も恋人がいた事のない俺はデートすらしたことがなかった。
(デート?……)
「デートかなぁ、、違ったら恥ずすぎ。」
(一応聞いてみよーかな……)
『はい!是非。デート、、ですか?』
(…やっぱやめよ。)
返事を書いたもののデートかと聞くのは気が引けた。
(……あっ!やべ!)
俺は消そうとしていた文を誤って送ってしまった。
(うわっ消去、消去!…って、既読はやっ!)
送った文を消そうとした時には既に既読が着いていた。
『そうだな、デートだ笑』
(う、うぁぁあっ。笑われた……絶対笑われた…)
………………………………
1週間後……
「やべぇ……服が決まらない…。橋倉さんはどんなの着てくんだろ、」
待ちに待った(?)デート同日。今日行くのは水族館。(ベタすぎ…てか、橋倉さん水族館なんて行って楽しいのか…?)
(えーと、とりあえず、)
俺は白シャツの上にカーキ色のファスナーがないタイプのパーカを着た。そして黒のジーンズを履き、トートバッグに荷物を入れて家を出ると同時にメールを見た。
『11月21日の10時に○○駅前の広場で待ち合わせでいいか?』
『はい。大丈夫です』
(…駅前の広場で待ち合わせって言ってるけど、橋倉さん電車なんて乗るのか?)
(駅までは徒歩で20分程度だから15分前くらいには着くかな。)
広場に着いた俺は当たりを見回した。
(流石にまだ来てないよね。)
キョロキョロしていると女の人達のの猫撫で声が聞こえた。
「おにぃーさん1人ですかぁ?良かったら私たちと遊びませんかぁ?♡」
女の人に声をかけられていたのは……
(はっ、橋倉さん!?)
(え、まって普段以上にイケメン過ぎない?!)
橋倉さんはグレーのタートルネックのニットに黒のパンツとコートいうなんとも大人かっこいい服装。
(えぇ、、声かけづら……)
そう思いながら橋倉さんを見てると
バチッ
目が合った。
(やばっ、目合っちゃった……行った方がいいかな。)
「えぇー!いぃじゃないですかぁー」
何やら橋倉さんは女の人と話しているようだ。
(うわぁ……行きづら、、、)
ブーブー ブーブー
「うわぁっ」
電話が鳴った。橋倉さんだ。
「何してるんだ。早く来いよ。」
「ひっ、、ぇっと…」
俺は橋倉さんに近づき、
「あ、お待たせしました、、、」
と、声をかけるとそこにいた女の人達は目をまん丸にした後何やらポーっとしながら俺を見ていた。
「チッ…行くぞ。」
が、そんなのお構い無しに橋倉さんは俺の腰を抱き、改札とは別の方向へと歩き出した。
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