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和真さんの側にいれるしあわせ
彼が側にいるだけですっごく楽しくて。
時間が過ぎるのも忘れるくらいだった。
高速道路が混雑する前に帰途についた。
人混みに疲れたのと心地良い車の揺れで5分も経過しないうちにうとうととし始めた。
和真さんだって疲れているのに、僕が寝る訳にはいかないと睡魔と必死で闘っていたら、
「寝ててもいいよ。着いたら起こしてあげるから」
柔らかな声音が耳を擽り、シートに身を委ねあっという間に眠りに落ちていった。
お腹が空いて夜中に目が覚めた。
え?ここ、どこ……?
一瞬自分がどこにいるか分からなくて狼狽しながら薄暗い部屋の中をキョロキョロと見回した。
「まだ朝じゃないよ」
和真さんの声が耳元で聞こえてきて。
ベットが軽く揺れたかと思ったら、突然背後からぎゅっと抱き締めれられた。
「か、和真さん‼」
驚きのあまり声が裏返った。
動揺していると、
「何でだろう。きみが側にいるだけで気持ち良く眠れるんだ」
背後からぴったりとくっつかれて抱き締められ、混乱に固まったまま言葉を探すも見つからなかった。
逞しい胸。腕。色香を纏う香り。全身でそれを感じると、一気に頬が熱くなった。
腰に回された手にぐっと抱き寄せられ、どきどきと心臓が大きく鳴った。
気にしない様にしなければと思えば思うほど、心音もますます大きくなり、彼に聞こえてしまわないか一層ドキドキした。
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