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和真さんが側にいてくれるしあわせ

どうしよう…… 纏らない考えの中、それだけを何度も繰り返していると、腕はさらに力を増し再び耳元で声がした。 「四季を抱いて寝ると熟睡できる。この前もそうだった。不思議だ」 紡がれた言葉に驚いた。 「この前って……」 「四季を最初に泊めた夜だ。あの時もいつになく熟睡できた」 項に息がかかり、くすぐったくて思わず 身を捩ると、肩が彼の耳に触れたみたいで痛っ……ぐぐもった声が返ってきた。 「ごめんなさい。忘れていた訳じゃないんです」 「四季だから許す。実は最近あまり寝れないんだ。でもきみを泊めたあの日は、自分でも驚くくらいぐっすり寝入ってしまったらしい。いつもなら副島が迎えに来たときは出勤の準備をして出掛けるだけになっているんだが、呼び鈴が鳴ったことも着信が何度もあったことも全く気付かなかったんだ」 彼の言葉がにわかには信じられなかった。 でも今の話しが本当だとしたら、最初にここに泊まったときも彼に抱き締められて眠っていたということになる。 温かくて気持ちがいいと感じたあの感触。 てっきりふわふわの柔らかな布団で眠ったせいだとばかり思っていたけれど、あの温もりはきっと、布団のせいだけじゃなく、和真さんに抱き締められていたためのものだったのだろう。 そう考えると、のぼせたようにますます頬が熱さを増した。 抱き締められることにそんなに慣れていないから、眩暈で気を失いそうになった。 眠ってしまおうとも考えたけれど、お腹が空き過ぎて眠れそうにもなくどうしようと思った時だった。 「考えてみたら夕ご飯まだだったんだ。どうりでお腹が空く訳だ。四季もお腹が空いただろう」

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