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神様がもし許してくれるなら彼の側にいたい
「四季くん~~!」
そのあとカフェを訪ねると、結お姉さんが玄関の前で手を振り笑顔で出迎えてくれた。
「あとは私が押すから。どいて、どいて」
「ちょっと姉さん」
和真さんの身体を軽く押してしっしっと追い払った。
「一人占め禁止。四季くんは和真だけのものじゃないのよ」
「は?」
彼が不機嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「ほら、ぼぉーとしてないで、ドアちゃんと押さえてて」
「相変わらず人使いが荒いんだから」
ぶつぶつと言いながらも、ドアを開けてバタンと閉まらないように手で押さえてくれた。
「じゃあ行こうか」
手押しハンドルを握ると前へゆっくり押してくれた。
「お帰り」
中に入ると櫂さんもまた笑顔で出迎えてくれた。
あれ?昨日まで「いらっしゃい」だったのに………なんで?
「どうしたの?」
「あの………何でもないです」
「何でもないなら別にいいけど」
不思議そうに首を傾げながら、いつも座る窓側の席に案内してくれた。
「和真くん、ちょっと手伝ってもらってもいいかな」
櫂さんが彼を手招きした。
「はい」
2人でカウンターへと入っていった。
「ねぇねぇ聞いたわよ。で、なんて答えたの?もちろんO.K.だよね?」
「あの……何のことですか?」
「もぅ、惚けちゃって」
結お姉さんが顔を嬉しそにほころばせていた。
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