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神様がもし許してくれるなら彼の側にいたい

「シーザーサラダは取り分けて食べてね。で、これが……」 結お姉さんがテーブルの上に料理を並べ始めた。 「本当に赤飯を炊いたんだ」 「だって、今お祝いしなかったらいつするの?四季くん、遠慮せずにたくさん食べてね」 「はい。ご馳走になります」 「後は……そうだ、飲み物まだだったわね。すぐに持ってくるから」 結お姉さんが足取りも軽く、鼻歌を口ずさみながらカウンターへと戻っていった。 「四季、小豆が苦手なら無理に食べなくてもいいよ」 「結お姉さんがわざわざ僕たちのために作ってくれたんだもの。食べなかったらバチが当たります。それに残したら勿体ないもの。世界には、一日三食食べれない子だって大勢いるんだもの」 手を合わせ心の中で「いただきます」をしてから箸を持ち上げた。 飲み物を持ってきてくれた結お姉さんが、赤飯を食べる和真さんを見てくすくすと笑っていた。 「四季くん、実はね……」 「姉さん、それ以上は」 彼が急に慌てだした。 「何で、別にいいでしょう。小豆が苦手なのは和真の方なのよ。学校給食の赤飯ってやたらと小豆が多くて、それがトラウマになったみたい。それに年一回、1月に給食に出るビーンズパン。小学校のは豆が小さいんだけど、中学校になると豆自体が大きいのよ。だから豆恐怖症になったのよ」 「ビーンズパン?」 「食べた事ない?甘納豆のパンよ。今も給食に出るか分からないけど」 結お姉さんとの話しに夢中になっていたら、彼が仏頂面になりわざとらしく咳払いをした。それを見た結お姉さんがぷぷっと急に噴き出して。 「あれれ、和真が一丁前に焼きもちを妬いてる」 耳を軽く触る程度に引っ張った。 「笑うなよ。こっちはすごく痛いんだぞ」 苦悶の表情を浮かべ彼が耳を手で押さえた。

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