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忍び寄る殺意

「四季くん、こんな私だけどこれからも仲良くしてくれる?」 そんなに改まって聞かなくても。僕の答えは最初から決まってるのに。 「結お姉さん僕の方こそ宜しくお願いします」 ペコリと頭を下げると、結お姉さんの腕が肩に回ってきてそのままぎゅっと抱き締められた。ふわふわしてて気持ちがいい。あれもしかしてお腹ふっくらしてる?気のせい?そんなことを考えていたら和真さんと櫂さんが様子を見に来た。 「女子同士ラブラブタイムなの。いまいいところなんだから邪魔しないでくれる?」 「あのな結………」 彼が額に手を置いてやれやれとため息をついた。一方の櫂さんというと、 「良かったな結、四季くん。本当に良かった」 ハンカチで目頭を押さえ涙ぐんでいた。 そのあと、すき焼きと、櫂さんが急ごしらえで作ってくれた野菜炒めで和気あいあいと夕飯を囲んだ。 「和真の言う通り四季くんには少し高すぎるんだね」 あとちょっとが届かないから腕も背もぴんと伸びし腰を浮かせながら食器を洗っていたら、結お姉さんが手伝いに来てくれた。 洗い物をあっという間に片付けると、結お姉さんがバックの中からピンク色のストラップを取り出し見せてくれた。覗き込むと【赤ちゃんいます】と書かれてあった。ビックリして顔を上げると、 「安定期に入るまではみんなには内緒なんだけどね」 悪戯っぽい笑みを浮かべながら、しーと言わんばかりに人差し指を唇の前にたてた。 「式を挙げたのは去年の秋だけど、籍を入れたのは9年前なんだ。なかなか赤ちゃんに恵まれなくてね。諦めかけていた矢先、この子を授かったことが分かったの」 「おめでとうございます」 思わず大きい声を出してしまい、慌てて両手で口を覆った。

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