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忍び寄る殺意

「二年前のことで、他人と関わるのを避けてきただろう?きみの心の傷が癒えるまで待つつもりでいる。がっつくように、ぐいぐい迫ってそれでエロオヤジって四季に思われて嫌われたら多分一生立ち直れない気がするから」 彼が真っ赤な顔をしてごほんと咳払いをした。 「ごめん、自分で何を言ってるか分からなくなった」 頭を掻きながら照れ笑いしていた。 真面目で誠実で、それでいて思いやりがある。世の女性がほっとく訳がない。こんな僕とは不釣り合いだってことは百も承知。副島さんに反対されようが、大好きな彼の側にいたい。 「あの、和真さん」 背筋をぴんと伸ばした。 「本当は正座をしなきゃいけないんだけど」 「よく分からないけど、なら、代わりに俺が正座する」 向かい合うように彼が座り直してくれた。 シーツの上に三つ指を立てて、 「不束者ですが和真さんの恋人になれるよう、精一杯努力しますので宜しくお願いします」 頭を下げられるところまで下げた。 「出来れば恋人じゃなく、奥さんって言って欲しかったけどな。俺の方こそ、至らないところばかりだけど、宜しくお願いします」 まさか頭を下げられるとは思ってもみなくて。 「和真さん……」 びっくりしたまま見つめると、破顔した彼にぎゅっと抱き締められた。 「嬉しいよ。こんなにも俺を思ってくれるなんて。ありがとう」 温かな広い胸は心地よくて、そっと顔を上げると、間近で視線が絡んだ。 優しい、いつもの彼の顔。 ほとんど瞬きもせずじっと見つめられると尚更恥ずかしくて。 俯くと、小さな笑い声と共に強くぎゅっと抱き締められた。

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