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いつかきっと笑ってくれますか

夜遅くまで斎藤さんと副島さんと念入りに電話で打合せをしていた彼。 布団に潜り込んでくるなり、そのまま抱き締められ、口付けられた。 「ん……っ」 キスは昨日よりももっと甘く感じる。 いきなりだったからびっくりしたけど、戸惑いながらもされるがままになっていると唇を啄まれ、ゆっくりと髪を撫でられた。 その手の優しさにうっとりと息を溢すと、髪から頬、肩から腕へ滑り落ちていってそのまま静かにパジャマの釦を外しはじめた。 (和真さん、だめ……) 彼の肩を手で押したけど僕の力ではびくともしなくて。 唇を離した彼が、首筋に、そして露になった肩口に口付けてきた。あとが残るくらい強く吸われ高い声が漏れた。 翌朝。出勤する彼の車に乗せてもらい結お姉さんと櫂さんのカフェの前で下ろしてもらった。 「元気そうで良かった」 「忙しいのにすみません」 「私はきみの弁護士だよ。いちいち謝る必要はない」 斎藤さんの隣に初めて会う長身の男性が立っていた。隙のないスーツ姿。緩くすき上げられた髪。一重の男らしい双眸が印象的な男性だった。目が合うなり、 「やっと会えた!きみにずっと会いたかったんだ!」 手を両手で握られぶんぶんと大きく振られた。 「あ、あの……どちら様ですか?」 後退りも出来ず顔を引き吊らせながら、勇気を振り絞って聞くと、 「きみのもう一人の弁護士の吉村だ。一生独身だと思っていた朝宮が結婚するって聞いて、随分と変わった物好きもいるもんだってびっくりしたんだ。宜しく」 「長澤四季です。僕の方こそ宜しくお願いします」 吉村さんに頭を下げられ、僕も慌てて下げた。開店準備をしながら心配そうにチラチラと何度も視線を送ってくる結お姉さんに見守られ丸和電機へと徒歩で向かった。

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