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あなたにはプリメラのように生きてほしい
便箋の代わりに可憐な赤い花のポストカードが入っていた。黒田さんの丸っこい字で、
【プリメラ・ジュリアンは運命を切り開く花。冬の寒さにも負けず力強く咲く。まさにあなたのよう。どんな逆境もあなたなら乗り越えられる】
そんな一文が添えられてあった。
黒田さんの何気ない優しさ、気遣いが涙が出るくらい嬉しかった。
「渋々だったが何とか被害届を受理してもらったそうだ」
「今度こそちゃんと捜査してもらえるのかな」
「さぁ、どうかな。四季くんへの嫌疑はまだ晴れていないみたいだし」
櫂さんがキッチンに立ってコーヒーを淹れてくれた。
「櫂さんごめんなさいね」
そこへ出掛けて家にいなかったお婆ちゃんが帰ってきた。
「大丈夫ですよ。お婆ちゃんもコーヒー飲みますか?」
「頼んでもいいかしら」
お婆ちゃんとふと目が合った。
「あのね四季くん、農協のところに直売所があるのね。そこで週3日くらいアルバイトしてみない?店長さんに聞いたら車椅子でも大丈夫だって。どうかな?」
「あ、は、はい。でも、取り敢えず和真さんに相談してからでもいいですか?」
「えぇもちろん」
お婆ちゃんがにっこり笑って、直売所から購入してきた手作りの豆大福や蒸しパン、それに漬物などをテーブルの上に並べはじめた。
「お餅も、お握りもあるわよ」
「こんなにたくさん買ってきたのか」
お爺ちゃんが呆れていた。
「だって四季くんや結や櫂くんにお腹いっぱい食べてもらいたいんだもの。それに和真と副島さんもそろそろ着く頃だし」
お婆ちゃんは嬉しくて仕方がないみたいではしゃいでいた。
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