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あなたにはプリメラのように生きてほしい
温かな祝福ムードに水を差したのは……
「四季、考え直すなら今だぞ」
副島さんだった。
「可愛い一人娘を嫁に出す親の気持ちがやっと分かったような気がする。出会ってまだ2週間の男に四季を嫁がせることになるとはな。しかも友人にだ。かなり複雑な気持ちだ」
刺のある言葉で嫌味たっぷりに言われ、和真さんはグーの音も出なかった。
「でも当人同士がいいなら、それでいいんじゃない」
「結婚するのは私たちじゃない。和真と四季くんだ」
お婆ちゃんとお爺ちゃんが彼と副島さんの間に入ってくれた。
「でも何でまここころの会なの?まごころの会の方が噛まないし、間違わないと思うんだけど」
ふぅふぅとお茶を冷ましながら結お姉さんが急にそんなことを櫂さんに聞いた。
「そんな組織があること自体知らなかったよ」
「お爺ちゃんもお婆ちゃんもよ」
三人とも不思議そうに首を傾げていた。
「まこは人名だ」
カーテンを少しだけ開けて外の様子を伺っていた副島さんがぼそっと呟いた。
「副島もしかして分かるの?」
「知ってるもなにもまこは俺の母親だ」
「えぇ~~!嘘~~!」
驚いたのは結お姉さんだけじゃない。
その場に居合わせた全員が腰を抜すくらいびっくりした。
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