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あなたにはプリメラのように生きてほしい
「あの和真さん」
ずっと気になっていたことを意を決し聞いてみた。
「ん?」
「きよちゃんがわざわざ届けてくれた忘れ物ってなんだったんですか?」
「……」
彼の顔色が変わったのが分かった。やっぱり聞いちゃいけないことだったんだ。
「ごめんなさい。いいです。何でもないです」
慌てて頭 を振り布団を頭から被った。
「なに、なにかくれん坊?」
悪戯っぽい笑い声が聞こえてきて。
がばっと布団を捲られ、背後からぎゅっと抱き締められた。
「和真さんくすぐったい」
息が耳にかかり身を捩ると、なにかの弾みで彼の下腹部に手が触れてしまった。
「ごめんなさい。わざとじゃないの」
慌てて手を引っ込め首を横に振った。
「耳とどっちが固かった?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら瞳を覗き込まれた。
和真さんてこんなに意地悪だったの?
そぉーと手を伸ばし耳を指先で軽くつんつんしてみた。
「いたたた!」
耳を押さえながら彼が布団の上にうずくまった。
「和真さん、ごめんなさい」
耳を触られると激痛が走るのが分かっているからなるべく触らないように気を付けていたから、どっちが固いなんて。そんな意地悪な質問をした和真さんが悪いんだよ。僕は悪くない。むすっとして睨むと、
「怒った顔もすごく可愛いね」
さっきまであんだけ痛がっていたのに。嬉しそうににこっと微笑むと、頬をスリスリと寄せてきて、ちゅっと軽くおでこに口付けをされた。
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