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あなたにはプリメラのように生きてほしい

「首だけじゃなくて耳も弱いんだね。ん?四季?」 ふるふると震える僕を訝しく感じたのだろう。 顔を覗き込まれ、気付かれてしまうんじゃないかとどきどきしていたら、彼がふっと微笑んだような気がした。 和真さん?顔を上げようとしたら目尻に、頬に口付けが降りてきた。 そのまま横に寝かされると、パジャマの中に彼の手がするりと忍び入ってきた。 「か、か、和真さん!」 不意のことに上擦った狼狽の声を上げようとしたけど、彼は躊躇せず指を進めてきた。 「四季の心の傷が癒えるまで待つつもりだったけど、ごめん。我慢出来そうにない。大丈夫、嫌なことはしないから少しだけ触れさせてほしい」 囁きながら優しく口付けされた。 どうすればいいのか分からず、すがるようにして彼にしがみつくと、抱き締め返され、幾度となく柔らかく唇を唇で刺激され舌先でなぞられた。 「力を抜け」 耳元を低い声が掠め、さらりと性器を撫でられた。 普段の彼の声よりも一層艶かしく色香の感じられる声音にぞくりと背が震え、肩がびくっと跳ねた。 目の奥で白い光がちかちか点滅するのを感じながら、いやいやをするように首を振ったけど、身体に上手く力が入らなくて。ろくな抵抗になってない。

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