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暗黒沈静
「もしかして信用されていなかった?俺は四季を泣かせるような真似はしない。一生涯愛し抜くって誓ったんだから。な、四季」
同意を求められて慌てて頷いた。
「お爺ちゃん、お婆ちゃんが心配するのも分かるよ。俺には勿体ないくらい素敵なひとだもの。世の男は全員、恋敵《ライバル》だ。とくにたもくんは。要注意だ」
「和真さん、たもくんとはそんな関係じゃないよ」
「俺にはきみに好意を持っているとしか思えないよ」
「それはその・・・・・」
すぐには答えることが出来なかった。
「随分と早かったんじゃないの?まだ3時前よ」
「副島に帰された。副島は四季のことになると人格が変わるから怖いんだ」
「恋のライバルが副島さんじゃなくて良かったわね。コーヒー飲むでしょう?すぐに準備するから待ってて」
お婆ちゃんがすっと立ち上がると台所へ向かった。
お爺ちゃんは薪を焚いてお風呂を湧かすために外へ。
「四季あのな」
和真さんが椅子を僕の前に持ってきて腰を下ろした。
「きみには嘘を付きたくないから正直に言う」
思い詰めたようなその表情に訳もなく胸騒ぎを覚え、胸の前でぎゅーと服を掴んだ。
「雄士さんからついさっき連絡があって、長谷川さんが何者かやっと分かったよ」
「僕、鈍感でいつもぼぉーとしているから、何気ない一言で長谷川さんを傷付けてしまったのかも知れない。言葉だって凶器になるもの」
「本当にきみは優しいんだね」
和真さんがにっこりと柔らかく笑んで。両手を手の甲に重ねると包み込むようにそっと握ってくれた。
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